”おたふくかぜに早く罹ってほしい”という声を診察室でよく聞きます。でも、ちょっと待って下さい。おたふくかぜというのは、意外と怖い病気なんです。その理由は、おたふくかぜには、合併症が多いからです。
まず、髄膜炎です。髄膜炎というのは、脳を取り巻く髄膜に細菌やウィルスが感染する病気で、激しい頭痛や嘔吐が出現します。おたふくかぜで髄膜炎を合併する頻度は、3~10%と言われますので、決して稀ではありません。おたふくかぜで髄膜炎になれば、1週間程度の入院が必要です。
次に、頻度は髄膜炎ほど多くはありませんが、おたふくかぜ後の難聴も怖い合併症です。多くは片方だけの難聴ですが、一度起こると回復は期待できません。
思春期以降の男性では睾丸炎、女性では乳腺炎を高頻度(数名に1人)に合併します。
脳炎は、最も怖い合併症で、おたふくかぜ約5,000人に1人発症します。
また、妊婦が妊娠初期におたふくかぜに罹ると、約3人に1人は流産します。
人生の節目(入学試験、入社試験、結婚式等)でおたふくかぜに罹ると、悲惨です。
おたふくかぜは、1回の接種で予防でき、1歳以上なら接種できます。ただし、任意接種ですので、助成はありません。
当院には、おたふくかぜワクチンが常備してありますので、予約なしでいつでも接種できます。
詳しくは、当院(☎0858-72-0100)にお問い合わせください。