かっては小児期に一度はかかる病気と思われていたおたふくかぜですが、最近は流行が少なくなっています。かかるのを待っている人が多いようですが、おたふくかぜというのは実は意外と怖い病気です。その理由は、合併症が多く、耳の下が腫れて痛くなるだけでは済まない事がよくあるということです。
代表的な合併症は髄膜炎です。これは発生頻度が高く、おたふくかぜ患児の約20人に1人がなります。難聴も怖い合併症です。多くは片耳の難聴ですが、これは治りません。脳炎は最も怖い合併症で、死亡することがあります。
思春期以降の合併症には、男性は睾丸炎(その一部は不妊症)、女性は乳腺炎があります。また、妊娠初期におたふくかぜにかかると3人に1人は流産します。
おたふくかぜは、ワクチンで予防できます。ただし、最近は4~5年間隔での2回接種が標準です。1回だけの接種では、免疫が減ってきて十分予防できないといわれます。
今のところ公的助成がなくて全額自己負担ですが、おたふくかぜで取り返しのつかない痛い目に会うことが避けられますので、ワクチンの価値は十分あります。
ぜひ、おたふくかぜワクチン接種を2回受けてください。