新型インフルエンザの感染に関して、2つの大きな誤解があります。
1つは、新型インフルエンザは空気感染するから、患者と同じ部屋にいるだけで感染する、というものです。
新型インフルエンザの感染の仕方には、飛沫感染と接触感染の2種類あります。感染した人の咳、くしゃみ、唾液等とともに放出されたウィルスを吸い込んで感染するのが、飛沫感染です。
人の飛沫が飛ぶ範囲は大体2メートル以内ですので、感染した人から2メートル以上離れていれば感染しません。ですから、人がまばらな戸外では、マスクをする必要はありません。
2つめは、ウィルスのような微粒子をブロックするためには、高性能の専用マスクでないと十分でない、という誤解です。
感染を予防するためには、ウィルスを含む唾液等の飛沫物をブロックすれば良いですから、さほど高性能のマスクでなくても有効です。むしろ、マスクを口や鼻を含む顔面にフィットさせることのほうが大事です。
マスクが入手困難になっています。でも、あわてないでください。ガーゼを使って、自分でマスクを作ればよいです。ガーゼのマスクは何枚も重ねて厚く作り、使った後によく洗えば、何度でも使えます。
なお、ニューヨークでは、今新型インフルエンザが蔓延しているそうですが、マスクをしている人はほとんどありません。アメリカ人は、マスクは病気の人が他人に感染させないために身につけるもので、自分の感染を防ぐ力はない、と考えているようです。
それと、新型インフルエンザは、口と鼻だけではなく、目の粘膜を通して感染しますし、手に付いたウィルスが粘膜に付着することもありますので、マスクだけでは完全な予防はできません。
やはり、人ごみを避け、手洗い、うがいを励行することが大事です。
幸い、新型インフルエンザは、弱毒性です。
マスクの限界を知った上で、上手に使って下さい。